📰アメリカ、再びユネスコ脱退へ
2025年7月、アメリカのトランプ政権は国際連合の専門機関である「ユネスコ(UNESCO)」からの脱退を再び発表しました。
背景には、ユネスコがアメリカの国家方針と異なる価値観を強く打ち出していることがあります。
アメリカ国務省の報道官は次のように述べました。
「ユネスコは“社会的・文化的な大義”を推進し、分断を生んでいる。持続可能な開発目標(SDGs)に過度に注力し、これは“アメリカ第一主義”とは相容れない」
また、アメリカが国家として承認していないパレスチナの加盟を認めたユネスコの姿勢も「政治的に偏っている」として問題視されました。
ちなみに、アメリカはトランプ政権の1期目でもユネスコを脱退しており、バイデン政権下で一度復帰したものの、今回再び離脱を表明した形です。
🏛国際機関には、どんなものがある?
ユネスコはその一つにすぎません。私たちがニュースや教科書で目にする「国際機関」は非常に多様です。いくつかを簡単に紹介してみましょう。
国際機関名 | 主な目的・活動内容 |
---|---|
国連(UN) | 国際平和と安全保障の維持、人権の尊重など |
ユネスコ(UNESCO) | 教育・科学・文化の振興、世界遺産の保護 |
WHO(世界保健機関) | 国際的な保健・医療協力、パンデミック対策 |
WTO(世界貿易機関) | 貿易ルールの設定、貿易紛争の解決 |
IMF(国際通貨基金) | 通貨の安定、金融支援の調整 |
OECD(経済協力開発機構) | 経済政策や教育、福祉の研究と提言 |
UNHCR | 難民支援と保護活動 |
❗“信用できるかどうか”は、別問題
ここで大切なのは、「国際機関の存在意義があるかどうか」ではなく、それらが常に正しいとは限らないという事実です。
- 世界的に名の知れた組織が言うことだから、間違いないはずだ。
- 権威のある専門家が言うのだから、従っておけば安心だ。
- 多数の国が支持しているのだから、きっと正義だ。
こうした考え方は、一見すると合理的です。しかし同時に、それは「思考停止」でもあります。
たとえば、SDGsやESGといった世界的潮流も、すべてが正しく、全員にとって最善だとは限りません。政治的な立場、経済的な都合、あるいは単なる人気取りの側面が混ざることもあります。
🧠「考える」ことが、最大のリスク回避策
今、SNSやYouTubeを通じて、数えきれないほどの「意見」が飛び交っています。
ある人は「国際機関は陰謀だ」と言い、別の人は「それこそ陰謀論だ」と返す。混乱するのも当然です。
そんな時こそ、自分で考える力が求められます。
- 情報源は信頼できるか?
- 利害関係者の立場はどうか?
- どんなデータや根拠に基づいているか?
そして、こう自問してみてください。
「この考えに、私は本当に納得しているか?」
それが「YES」であれば、その判断に自信を持てばいい。たとえ周囲と違っていても、自分の頭で考えた末の答えは、他人の言葉をうのみにするよりはるかに安全です。
✋有名人や“専門家”の言葉も、絶対ではない
学校の先生、テレビのコメンテーター、有名大学の教授、さらにはAIの発言までも。
「この人が言ってるなら間違いないだろう」と思ってしまいがちです。
けれど――彼らも人間。失敗もあれば、バイアスもある。利害が絡むこともある。
信じるか信じないかではなく、「自分でも考えてみる」という姿勢こそが、詐欺や後悔を遠ざける最大の防御力です。
🔚さいごに
国際機関がいいか悪いか。
それを結論づけるのは簡単ですが、この記事ではあえて「結論は出しません」。
私たちができるのは、
「どんな立場の人・どんな組織の言葉であれ、最終的には自分の判断で受け止める」
という態度を忘れないこと。
それが、これからの時代を賢く生きるための基本になると、私は信じています。