アメリカはもう憧れの国ではない?
日本人が知らない米国の実態と日本の進む道
投稿日:2025年7月29日|カテゴリー:国際経済・通商戦略
はじめに──「アメリカ=豊かで自由な国」という幻想
アメリカは本当に日本の「先生」たり得るのか?
私の知人は現在、日本政府に召喚されて米国で研究員として活動しています。 彼の現地からの言葉は、驚くほど日本の認識とズレていました。
「マリファナを食べた犬のフンに含まれるTHC(大麻成分)を摂取して人間がトリップしている」
もはや笑えません。これはジョークではなく、薬物が市民生活の隅々にまで浸透している証拠です。
1. 「崩壊するアメリカ産業」──地域・業種ごとのリアル
● ラストベルトの没落
- かつて栄えた鉄鋼・自動車産業の街(ミシガン、オハイオ)は今やゴーストタウン
- 失業、貧困、薬物、治安悪化が深刻
- 工場跡地にはホームレスが住み着き、通学路が危険地帯に
● 医療・教育の高騰と社会インフラの崩壊
- 救急車での搬送で数十万円、大学は年間500〜1,000万円
- 水道管や橋は50年以上手つかずのまま
- 公共交通が機能せず、低所得層が都市生活に取り残される
2. それでも強いアメリカ──ハイテクと軍事の巨人
アメリカを過小評価してはいけません。一方で、以下の分野では世界を圧倒しています:
- Google、Apple、NVIDIAなどのIT・AI産業
- SpaceX、Lockheed、Raytheonなど軍事・宇宙産業
- テキサス州などのエネルギー(シェール・再エネ)産業
ただし、これらは主に都市部や一部エリート層の繁栄であり、多くの一般市民の生活はかけ離れています。
3. 日本人が知らない「薬物大国アメリカ」
マリファナ合法化が進み、現在では20州以上で販売が合法。街中にディスペンサリー(大麻販売店)が並びます。
- 路上での吸引や誤飲が頻発
- 犬の散歩中にマリファナを拾い食い→飼い主も影響を受ける
- フェンタニルで年間10万人が死亡(CDC)
これが「先進国・自由の国」の現実です。
4. 日米貿易における「現実的な視点」
2025年7月、日本とアメリカは関税15%で合意し、日本のコメ輸入は即75%増加となりました。
その背景には、防衛装備の購入など複雑な交渉があり、米国側は選挙対策、日本側は譲歩と見られる部分もあります。
● 私の立場
日本の産業が第一です。だからこそ、輸出における関税は低く、国際競争力を持続させる政策が不可欠です。
しかし、同じ人間として、アメリカ経済についても心配しているというのは事実です。
国際社会の中で、両国がどのように競争力を保ち、どのように関わっていくのか、今後を見守りたいです。
結論:アメリカに幻想を抱く時代は終わった
アメリカは「崩壊」と「繁栄」が混在する国です。決して一枚岩ではありません。
だからこそ、私たちは相手の実態を見極め、日本の輸出・通商・技術戦略を主体的に考える必要があります。
次回予告:「アメリカは敵か味方か? 日本企業が考えるべき通商戦略の本質」