今朝、ロシアのカムチャッカ半島沖で発生した大地震の影響により、日本各地で津波警報や注意報が発令されました。
千尋進学塾・桑名駅前校では、生徒の安全を第一に考え、午前中の自習室の利用を中止する判断をいたしました。
なぜ遠く離れた地震で日本が揺れるのか?
「カムチャッカって……そんなに遠いのに、本当に日本まで津波が来るの?」
生徒の素朴な疑問に対して、私たち大人もつい答えに詰まってしまうことがあります。
しかし、地球はプレートという巨大な岩盤の上を移動している星です。カムチャッカ半島も日本も、そして太平洋の真ん中にあるハワイも、同じ「太平洋プレート」に乗っています。
プレートの境界で起きた地震は、その下にある海水全体を振動させ、何百キロ・何千キロも先の海岸まで波を伝播させるのです。
海の下の山々──天皇海山列という“巨大な化石”
津波は、ただまっすぐに海を進むわけではありません。
波は海底の地形の影響を強く受けます。山があれば波は反射し、谷があれば流れが集中する。海底地形は、まるで巨大なピンボール台のように、津波を複雑に跳ね返すのです。
そんな海底にある“山脈”のひとつが、今日の地震の震源の近くにも広がっています。名前を「天皇海山列(てんのうかいざんれつ)」。英語では Emperor Seamount Chain(エンペラー・シーマウント・チェーン)と呼ばれます。
これは、ハワイからカムチャッカ半島に向かって直線状に連なる海底火山の列で、そのひとつひとつには、日本の歴代天皇の名前が付けられています(例:仁徳海山、昭和海山など)。
数百万年かけてプレートの移動により形成されたこの列は、今日ではすでに火山活動を終えた“化石火山”ですが、津波にとっては依然として影響力のある“海底の壁”です。
地球のダイナミズムを学びに変える
私たちが暮らす陸地とは違い、海の中はふだん意識することが少ない場所です。しかし、今日のような出来事を通じて、地球のダイナミックなつながりを感じずにはいられません。
桑名で警報が鳴ったその背景には、ハワイからカムチャッカに至る海の下の「山脈」がありました。
千尋進学塾では、こうした“現実の出来事”をきっかけに、探究心や知識の幅を広げていく学びを大切にしています。自然を恐れるだけでなく、正しく知ること・備えることも、現代の学力の一部です。
これからも、生徒の安全を守りながら、知的な好奇心を支える学びを続けてまいります。