テスト本番で「覚えたはずが出てこない…」をゼロに。脳のしくみに沿った“最短ルートの復習法”を、千尋進学塾の講師がわかりやすく解説します。
目次
私たちは毎日たくさんのことを覚える一方で、同じくらいたくさんのことを忘れていきます。
「大事な用語をド忘れしてテストで空欄に…」そんな悔しい経験、誰しもあるはず。
本記事では復習すべきタイミングとやり方を、すぐ実践できる形でお届けします。
記憶は一日で3割しか定着しない!?
「エビングハウスの忘却曲線」をご存じでしょうか。ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが行った実験にもとづくもので、「一度覚えた内容をもう一度覚え直すとき、どれくらい短時間で済むか(=節約率)」を示したグラフです。
ポイント
・1時間後:最初より44%短い時間で思い出せた(節約率44%)
・1日後:節約率は34%まで低下
・1か月後:節約率は21%まで低下
また、カナダ・ウォータールー大学の研究では、1日後に学んだ記憶の50~80%、1か月後には約97%が失われるとされています。
つまり、「放置」=覚え直しの手間が爆増。せっかく学校で1時間かけて覚えた内容でも、しばらく経ってから復習すると、また40分以上を費やす羽目に…。
定期的な復習は記憶の定着を促進する
では、どうすればよいのでしょうか。鍵は間隔をあけた反復です。
ウォータールー大学の報告によれば、1時間の講義内容を24時間以内に10分復習すると、ほぼ100%思い出せる。
さらに1週間後には5分、30日目に2~4分の復習で、記憶を短時間で再現できる。
人間の脳は、繰り返し与えられる情報を「重要だ」と判断し、呼び出しやすくします。
通学路を自然に覚えてしまうのと同じ理屈です。勉強も短い復習を何度もが正解。
コスパのいい習慣化:最初は各教科1日10分でOK。
1か月後、復習時間が50分 → 3分に。積み重ねるほど“おトク”になります。
どのように復習するのがいい?(実践手順)
① 間違えた問題を最優先で
理解できている問題より、間違えた・あいまいな問題を重点復習。理解度の底上げと時間短縮の両方に効きます。
千尋進学塾では、塾内ワークやプレテストで「間違い」と「苦手単元」を洗い出し、次回までに解き直す指導を徹底しています。
② 「復習ノート」を作り、自分の言葉で書く
授業を聞く・教科書を読むだけよりも、自分で考えてまとめる/人に教えるほうが定着率は上がります。
学んだ内容を自分の言葉で要約し、後から見ても一目でわかるノートにしましょう。可能ならその日のうちに、遅くとも1週間以内に作成を。
復習ノートの書き方(テンプレ)
- 今日の要点:用語・公式・手順を箇条書き
- 自分なりの説明:小学生にも説明できる文章で
- よくあるミス:自分が間違えた理由と回避策
- ミニ問題:3問だけ作って明日もう一度解く
“いつ・どれだけ”やる? 復習スケジュール例
下の表をそのまま真似すればOK。時間は短く・回数は多くが鉄則です。それぞれ1教科あたり10分程度で構いません。
タイミング | やること |
---|---|
学習当日(~24時間以内) | 要点見直し+間違い直し/ミニ問題3問 |
1週間後 | 復習ノート確認+弱点だけ再演習 |
1か月後 | 要点の口頭説明→ミニテスト化 |
まとめ&今すぐできるチェックリスト
- 復習は長く1回より短く複数回。
- まずは間違えた問題から。完璧主義より“穴埋め主義”。
- 復習ノートはその日のうちに。自分の言葉で。
- 当日→ 1週間後→ 1か月後のサイクルを回す。
今日からの実行チェック
- □今日の学習分を24時間以内に10分復習する予定を入れた
- □間違えた問題をピックアップしておいた
- □復習ノートのテンプレを用意した
- □1週間後と30日目に再チェックの印をつけた
千尋進学塾のサポート
千尋進学塾では、ワークやプレテストから個別の「弱点マップ」を作成し、最短で点に結びつく復習を伴走します。
「やることが多すぎて回らない…」「どこから直せば?」という方は、ぜひご相談ください。
よくある質問
Q. 毎日どれくらい復習すればいい?
各教科10分からで十分です。重要なのは当日・1週間後・30日目の節目を逃さないこと。短時間×複数回なら部活や習い事と両立しやすく、定着率も上がります。
食後のちょっとした時間で復習するだけでも、しないときと比べて大きな「差」が現れます。
Q. 忙しくて当日復習が無理な日は?
翌日の朝5分でもOK。まずは「見直す」という行為を欠かさないことが最優先です。週末に少し長めの時間をとって穴を埋めましょう。
執筆:千尋進学塾 講師
本記事の内容は、一般的な学習法のガイドです。お子さまの状況に合わせた最適な計画は個別にご提案します。