「理数科って、数学が得意な子が行くところでしょ?」
そう思われがちですが、実は違います。
「数学が苦手だったからこそ理数科を選んだ」という先輩の声、聞いたことはありませんか?
理由は単純。数学の授業が普通科より週1コマ多く、そのぶん丁寧に教えてもらえるから。
中学のつまずきを克服して、得意科目に変えた生徒もたくさんいます。
“週1コマ多い”だけじゃない、授業の質が段違い
理数科の数学は、担当する先生の顔ぶれが違います。
基本的に正規の教員が授業を担当し、「講師(非常勤講師)」はほとんど入りません。
特に注目すべきは、先生の転勤がなければ、数学の先生が3年間同じということ。
「途中で教え方が変わるから混乱する」といった悩みがなく、一貫した指導が受けられるのです。
さらに、理数科の数学は学年主任・教科主任・担任クラスの先生が担当することも多く、
教える側の緊張感・熱量が他のクラスとは違います。
なお、普通科の場合、多くのクラスで数学Ⅰと数学Aは違う先生が担当します。
実は“先生ガチャ”がある? 公立高校の現実
近年、公立高校では教員不足 その結果、定年退職した先生が講師として戻ってきて授業をすることもあります。
もちろん、ベテランの経験が活きる場面もありますが、
一方で、小声で分かりにくい・黒板しか使わない・AI教材を拒否するといった実態も存在します。
そうした中で、理数科だけは「信頼できる先生が授業をする」という構造が維持されています。
これは、理数科が学校内で特に重視されている証です。
化学・物理も“トップ人気の先生”が担当
数学だけではありません。
化学や物理といった理系科目も、「この先生の授業は分かりやすい」と評判の先生が担当することが多いのです。
学校の中でも“教える力”が高く評価されている先生ほど、理数科にアサインされます。
これは、「理数科の生徒たちにこそ、本物の学力をつけさせたい」という先生方の想いの現れです。
伊東先生と“理数科の誇り”
かつて桑名高校に、伊東先生という化学の先生がいらっしゃいました。
何年も理数科の担任を務め、授業も合宿も全力。
「伊東先生の化学は日本一わかりやすい」と生徒からの信頼も絶大でした。
先生方が理数科にかける情熱が、こうした形で脈々と受け継がれてきたのです。
結論:「理数科=難しい」ではなく「理数科=手厚い」
理数科は、ただ難しいだけの場所ではありません。
むしろ、伸びたい生徒のために最も手厚い環境が整っている場所です。
「理数科=選ばれた人が行く場所」ではなく、
「本気で変わりたい人が選ぶ場所」という認識が、これからはもっと広がってほしいと思います。
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