桑名高校理数科とは?
桑名高校理数科は、三重県内でも有数の進学校・桑名高校の中で、難関大や医歯薬系を目指す生徒が多く集まる学科です。現在は文部科学省から「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」の指定を受けており、理科・数学を中心とした探究活動も活発に行われています。理数科という名前ですが、実際には文系志望の生徒も少なくありません。
授業内容は普通科とほとんど同じですが、科目名や進度にやや違いがあります。桑名高校の先生自身が「理数科の授業はいまだに少し緊張する」と話すほど、生徒の集中度も高く、一定の緊張感があります。
合格点・内申点の目安と難易度の変動
- 内申点:43〜45が多い
- 当日点:確実合格は215点程度
- 倍率が高くなりやすい理由:定員40名と少数枠だから
内申が45でも不合格になる可能性があります(当日点は180点台だったそうです)。
一方で、「四日市高校は無理でも理数科なら行ける」という受験生の選択も多く、直前で出願先を変える生徒もいます。
なお、新型コロナウイルスが流行した年度には、桑名市内のトップ層の一部が四日市高校を避け、桑名高校理数科へ出願するケースが見られました。その結果、理数科の難易度が一時的に上昇し、確実に理数科に行けそうだった受験生でも、普通科へスライド合格した例もありました。同じ年度の四日市高校に進学した生徒(現在大学2年生)は、学校の先生から「今年の生徒はできない」と言われたとの話もあり、例年と異なる傾向が各校に現れていたようです。
普通科との違いは?
- 科目名は異なるが、やっている内容はほぼ同じ
- 担当教員は固定ではなく、県立高校のため年度によって異動がある
- 朝や放課後の補習・課外は先生によって方針が異なり、熱量や雰囲気にばらつきがある
理数科は全体的に真面目な生徒が多く、勉強への意識が高い環境です。
文系進学も可能?
意外に思われるかもしれませんが、理数科から文系に進む生徒もいます。
- 教育学部に進学した例
- 生物選択で農学部へ進学
- 法学部に進学して弁護士になった例(兄は理数科→医学部)
理数科という名称にとらわれる必要はなく、進路は本人の適性次第で柔軟に選択できます。
医学部・薬学部・獣医学部などの理系進学
- 医学部医学科は例年0〜3名(令和6年度は1名)
- 京大薬学部や私立薬学部への進学もあり
- 獣医学部に進学した生徒も過去に在籍
特に薬学部志望は一定数おり、「コツコツ型」の生徒が着実に力をつけて合格しています。
合格者の傾向・使用教材
- 四日市高校志望だったが内申が届かず理数科へ変更
- ダンス部目当てで理数科に出願
- 中1・中2では目立った成績でなくても、中3秋以降に一気に学力を伸ばして合格した例
- 兄姉が理数科で、負けず嫌いな性格
使用教材例:
- 三重県立高校の過去問(できれは10年分)
- 旺文社『全国高校入試問題正解』
- 塾教材:『高校入試問題リレー』『かんぺき』『セレクト』
- 中学校で配布・購入される入試対策用テキスト(2年前の過去問題が中心)
出願戦略とアドバイス
- 出願者には「理数科→普通科」のようなスライド制度(併願)がある
- 明正中・陽和中・正和中・光風中・東員第一中・東員第二中など、さまざまな中学校から数名ずつの合格実績
- 陵成中・光陵中では内申点の基準に関する特性があり、理数科を選ぶ家庭もある
- 四日市市内・三泗地区からも数名ずつ進学者あり
理数科進学のメリットと実力との関係
高校進学後に配布される問題集や教材は、四日市高校に比べて若干易しめであることがあります。特に令和7年には、四日市高校が数検出版の『4STEP』であるのに対して、桑名高校は『サクシード』に変更されました。四日市高校は『4STEP』を使い、桑名高校は少し問題が少ない『4STEPセレクト』という教科書傍用問題集になった年もあります。
ただし、これは授業とのバランスを考慮したものであり、決して進学に不利ということではありません。
共通テスト対策も2次試験対策も学校内で十分に行われており、実際に京都大学には毎年1名程度の合格者が出ています。
内申点に余裕があり、高校進学後も学力に自信がある場合は四日市高校も有力ですが、桑名高校理数科も非常に現実的で力強い選択肢です。
高校に入ると授業についていくこと自体が難しくなることもあり、理数科の「集中した学習環境」は、その不安を緩和する力を持っています。
最後に(教室長より)
桑名高校理数科は、表面的な偏差値や名前以上に「個人の成長」と向き合える場です。名前にとらわれず、自分の可能性を信じて挑戦してみませんか?
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