三角関数の変換公式、覚えなくてもいいんです。― 図で「わからない」が「わかる」に変わるまで ―
目次
◆ 特別クラス(川越高校)での出来事
先日、川越高校の生徒に「sin(7/8π) を鋭角の三角関数で表す方法」を教えていました。
私はいつものように、変換公式を教えるのではなく、単位円と図を使って考える方法を提案しました。
すると、ある女子生徒が真剣な表情で言いました。
「まだわからない!」
私は思いました。
それで、いい。 それは「考えようとしている証拠」なのです。
◆ 三角関数は「辺の長さの比」
sinやcosの本質は、三角形の辺の長さの比。
特に 単位円(半径1の円) を使えば、すべてが視覚的に理解できます。
- sinθ = y座標(縦の長さ)
- cosθ = x座標(横の長さ)
点P(cosθ, sinθ)を使って図を描けば、
「なぜそうなるのか?」が見てわかるようになるのです。
◆ 変換公式は“あとから”でいい
たとえば sin(7/8π)。
公式でやるなら「π − θ の形だから sinθ と等しい」と変形します。
でも、図を描けば:
- 7/8π は第2象限
- sinの値は正、cosの値は負
- sin(7/8π) = sin(1/8π) と図でわかる
つまり、変換公式を“暗記”する必要はないのです。
図から「意味」を感じ取ることができれば、それで十分。
◆ 「まだわからない」は宝物
教室で「まだわからない」と言われたとき、それは失敗ではなく、
学びが始まっているサインだと思っています。
人は“腑に落ちる”までに時間がかかることがあります。
でも、あの生徒が数日後にふと「そういえばあれかも」と思い出したら、
その時こそ本当にわかった瞬間なのです。
◆ 教室長より
形式にこだわらず、図で考え、感覚で理解していく授業。
その中で「まだわからない」という声は、可能性の芽だと思っています。
今日もまた、「わかる」までの道のりを、生徒と一緒に歩んでいます。
✔ 千尋進学塾では、こうした「見てわかる」授業を日々実践しています。
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