魚の値段から社会が見える
──川越高校国際探究科の修学旅行がすごい理由
「魚が高いってどうして?」
そんな疑問から始まる高校生活が、三重県にはあります。
川越高校の国際探究科。ここでは、修学旅行さえも「学びの場」になります。しかも行き先は、なんとシンガポール。そして、生徒たちは班ごとにテーマを決めて社会課題を探究します。たとえばある生徒が選んだテーマは、「シンガポールにおける魚類の値上がり」について。単なる買い物体験ではありません。その背景にある、輸入構造・気候変動・燃料価格・通貨変動など、グローバルな社会の動きを読み取ろうとしています。
川越高校国際探究科ってどんなところ?
2025年度から学科名も新たに「国際探究科」となり、川越高校は大きく進化しました。
この学科では、「知的好奇心」「情報収集と分析」「論理的思考」「協働・発信」といったスキルを、探究的な学びの中で磨いていきます。
文部科学省の「DXハイスクール」指定を受け、高機能PCや探究ラボルームなどの設備も整っており、まさに“考える力を育てる高校”といえるでしょう。
修学旅行が「学びの現場」になる
旅行の目玉は現地でのフィールド調査。観光ではなく「探究」が目的です。
たとえば、シンガポールの市場やスーパーで魚の価格を調査したり、現地の人にインタビューをしたり。生徒によっては、水産物の流通経路やASEAN貿易の仕組み、気候変動との関連まで考察の視野を広げることでしょう。
そして、それを英語でプレゼンする機会まであるというのだから驚きです。まさに、「英語を手段として使う力」が養われます。
主体性を育てる設計がすばらしい
特筆すべきは、生徒がすべて自分たちで調べ、考え、発表するという点。先生はサポート役でしかありません。正解を教えるのではなく、「問いを深める力」を育てているのです。まさに「探究」の真髄。
なお、今回の探究活動については、塾として特に関与はしていませんが、どのように学びを深めていくのか、本人の成長がとても楽しみです。
教育の質は「探究」で見えてくる
川越高校国際探究科は、進学実績だけでなく教育の中身そのものが魅力です。英語力、論理的思考、そして探究力。こうした力を3年間で高めることで、「国公立大学を目指す」というだけではない、“学びの意味”を伝えてくれます。
小中学生、そして保護者のみなさん。
三重県には、こんなに素敵な高校があるんです。
私たち学習塾は、進路支援や学力の土台づくりを通じて、生徒がこうした学校での学びをより充実させられるよう応援しています。
だからこそ、生徒が主体的に考え、学校の先生に導かれて世界を知る——そんな教育があることを、ぜひ多くの方に知っていただきたいと思っています。
もし、生徒たちの発表会が公開されるなら、ぜひ見に行きたいですね。未来のグローバルリーダーが、魚の値段から世界を語ってくれるかもしれません。
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