錬金術は本当にあった?|欧州合同原子核研究所が一瞬だけ金に変わる現象を観測
そして、それが「化学」になったという話
2025年6月、ヨーロッパにあるCERN(欧州合同原子核研究所)が世界を驚かせる発表をしました。
鉛(なまり)の原子核が、一瞬だけ金に変わる現象が観測されたというのです。
──これは、中世から続く“錬金術”の夢が、ほんの少しだけ現実になった瞬間かもしれません。
もちろん、できた金は不安定ですぐに消えてしまい、お金儲けにはなりません。でも、この出来事は私たちに「科学の原点とは何か」を思い出させてくれます。
そう、化学という学問も、もともとは人間の夢から始まったのです。
そして、それが「化学」になったという話
「鉛を金に変える」──そんな夢物語を本気で信じて、研究に人生をかけた人たちがいました。彼らは錬金術師と呼ばれ、時には魔法使いのように、時には科学者のように見られていました。
でも、そんな「錬金術」の探求が、やがて本物の科学=化学を生み出していったことをご存知でしょうか?
「金を作りたい!」から始まった人類の科学
古代から中世にかけて、多くの人が本気で「鉛や水銀を金に変える方法」を探していました。なぜなら、金は当時から富の象徴・権力の源だったからです。
そして、錬金術師たちはただ夢を見るだけではありませんでした。さまざまな物質を組み合わせ、火を使い、水を使い、蒸留し、結晶化させるといった実験を何度も繰り返していました。
失敗しても、失敗しても。「まだ黄金に至る道が見つかっていないだけだ」と信じてやまなかったのです。
錬金術の研究が化学の手法を生んだ
例えば──
- 試薬を加えて反応を見る沈殿反応
- 液体からガスを取り出す蒸留
- 熱して気体にし、冷やして集める昇華
これらは、現代の中学や高校の化学でも使われる基本的な操作です。実はこうした技術の多くが、錬金術師たちの“手探りの実験”から生まれたものでした。
つまり、「金を作りたい」という非現実的な夢が、いつの間にか科学という現実の知識体系を形作っていったのです。
錬金術を“科学”に変えた男たち
中でも重要な人物は──
◆ ラヴォアジエ(フランス)
「質量保存の法則」を提唱し、物質は消えたり増えたりしないことを明らかにしました。これが錬金術の理論を否定する大きな転換点となりました。
◆ ロバート・ボイル(イギリス)
「ボイルの法則」を示し、化学を経験や直感ではなく、理論に基づいた学問へと進化させました。
◆ あのニュートンも…!
「万有引力」で有名なアイザック・ニュートンも、晩年には錬金術に没頭し、数百ページにおよぶ記録を残しています。
そして現代──錬金術が“ちょっとだけ”実現した?
2025年6月、ヨーロッパのCERN(欧州原子核研究機構)が、「鉛が一瞬だけ金に変わった」という原子核変換の現象を観測したと発表しました。
これは原子の内部で中性子や陽子が組み替わったもので、いわゆる「金属」としての金ではなく、しかも一瞬で消えてしまう不安定な状態です。
それでも、かつて夢物語とされていた錬金術の一端が、ついに現代物理学で“現象として”確認されたという点は、まさに歴史的な発見といえるでしょう。
勉強も同じ。「夢」から始まる
勉強というのは、冷たい理屈や記号の世界だと思っている人も多いかもしれません。
でも、元をたどればすべては人間の夢や好奇心から始まったのです。
- 星を見上げて「どうして動いているんだろう」と思ったから、物理ができた。
- 花を見て「なぜ色が違うんだろう」と思ったから、生物ができた。
- 金を作りたくて必死になったから、化学ができた。
つまり、「なんで?」という気持ちが、人類のすべての知識の出発点なのです。
千尋進学塾からのメッセージ
もしあなたが、
- 数学の公式が覚えられなくて困っていたり
- 理科の知識が暗記ばかりでつまらなかったり
- 将来の夢が見つからなくて焦っていたり
そんな時は、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
そもそも、なんで人間はこんなことを知ろうとしたんだろう?
その問いの中に、自分だけの“学びの意味”がきっと見つかります。
最後にひとこと
錬金術は失敗だったかもしれない。
でも、その失敗の中から、化学という大成功が生まれた。
千尋進学塾は、そんな夢を原動力にする学びを応援しています。
📲 LINEでブログ更新通知が届きます!
科学や社会の話を、子どもたちにも分かりやすく伝える記事を今後も配信します。
更新通知をLINEで受け取るにはこちらからどうぞ:
📚「差のつく!読解のチカラ育成講座シリーズ」記事一覧
- ① “国語が苦手”は勘違い?読解力の正体、教えます
- ② “読めてるつもり”が一番危ない!読み飛ばし世代に欠けている力
- ③ 応用問題が解ける子の秘密は“読む力”にあった!
- ④ 読解力は国語だけの話じゃない!算数・理科にも効く“読みの技術”
- ⑤ 説明文が苦手な子に足りないのは“読書”じゃなく“論理力”
- ⑥ 小論文・推薦入試で差がつく!読解力×論理力の真価とは
- ⑦ 本を読むだけでは“読解力”は育たない?間違った読解力の鍛え方
- ⑧ “選択肢の消去法”で点が取れない子へ。論理的に読む力、ついてますか?
- ⑨ 読解力は“後からでも”伸ばせる?苦手意識をひっくり返す塾のトレーニング
- ⑩ 読解力と成績の相関関係|トップ層が必ず持っている“読みの技術”