〜火山と地震、津波の関係を小中学生にもわかりやすく〜
「火山が噴火したってニュースで見たけど、日本は大丈夫?」という声
2025年6月17日、インドネシア・フローレス島にあるレウォトビ・ラキラキ山が大規模に噴火しました。
その直後から、保護者の方々や生徒から次のような声が届いています。
「火山が噴火したって聞いたけど、日本に津波って来るの?」
「海の近くにある火山なら、地震みたいに津波が来たりしない?」
とても素直な疑問です。
そして、この疑問に対する正しい理解は、「災害に備える知識」としても非常に重要です。
津波は「地震」だけでなく「火山噴火」でも起こる…でも?
一般的に「津波」と聞くと、「大きな地震のあとに来るもの」と思われがちですが、実は津波にはいくつかの原因があります。
- 海底地震による津波(例:東日本大震災)
- 火山の噴火による津波
- 海底地滑り・山体崩壊による津波
- 隕石の落下による津波(極めてまれ)
つまり、「火山噴火が津波の原因になる」というのは正しい認識です。
しかし――
今回のレウォトビ火山の噴火では、気象庁が「日本に津波の影響なし」と明言しています。
地震と火山噴火の「エネルギーのかかり方」が違う
大きな津波を発生させるには、「海底を一気に押し上げるほどの力」が必要です。
東日本大震災のようなプレート型の巨大地震では、広い範囲で海底が大きく動き、その動きが海水を押し上げて津波となります。
一方、火山の噴火はどうでしょうか?
たとえ大規模であっても、海底が動かない限り、津波にはつながりにくいのです。
津波を引き起こすような火山噴火は、海底噴火や、山体の海への崩落など、限られたケースのみです。
今回の「レウォトビ火山」は、内陸にある陸上火山
レウォトビ・ラキラキ山は、インドネシア・フローレス島の内陸部にあります。
今回の噴火は海底ではなく陸上火山の爆発であり、海底地形に影響を及ぼしていません。
さらに、この火山は日本から約5,000km以上離れた場所にあります。
仮に小さな津波が発生していたとしても、そのエネルギーは途中で消えてしまいます。
気象庁の見解:「津波の影響なし」
日本の気象庁は6月18日午前4時、以下のように公式発表を行いました。
「インドネシアの火山の噴火に伴う、日本への津波の影響はありません」
これは観測データとシミュレーションに基づいた判断です。
信頼できる情報源を通じて「なぜ安全か」を知ることが、冷静な行動につながります。
それでも現地では大変な被害が…
津波の心配はないものの、現地では深刻な状況が続いています。
- 火山灰が上空11kmまで到達
- 航空便30便以上が欠航(バリ国際空港)
- 火口から半径7kmが立ち入り禁止
- 大雨による火山泥流(ラハール)のリスクあり
6月18日時点では死傷者の報告はなしですが、引き続き警戒が必要です。
中高生への「理科」や「地理」の学びにも
このニュースは、教室での学びにもつながります。
- 「火山と津波の違い」=理科(地学)
- 「距離感と影響」=地理
- 「火山灰と航空」=社会・経済
「なぜ飛行機は飛べないのか?」など、自由研究のテーマにも最適です。
まとめ:「不安」を「学び」に変える力
遠くの国の出来事も、ニュースを通じて「知ること」ができます。
そしてそれを、「なぜ?」「どうして?」と考えることで、自分の力に変えることができます。
当塾では、こうした時事問題を「学びの入り口」にできるよう、日々指導を行っています。
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