こんにちは。千尋進学塾 です。
先日、中日新聞に掲載された2本の記事が目にとまりました。
1つは奥美濃で活躍する「揚水発電」、もう1つは三重・大台町で復活した「小水力発電所」のお話。
どちらも「目に見えにくいけれど、大きな力になっているもの」。
その仕組みや意義を読みながら、私は「これは勉強と全く同じじゃないか」と思いました。
◆揚水発電とは? 〜巨大な蓄電池〜
揚水発電という言葉、ご存じですか?
簡単に言うと、「電気が余っているときに水を上の池へくみ上げておき、必要なときに落として発電する」仕組みです。
つまり、電力を“ためておく”ことができるんです。
この「ためる力」が注目されています。
猛暑の日、家庭や工場では一気に電気を使います。
でも、太陽光や風力は天気に左右されてしまい、安定した供給が難しい。
そこで、蓄電の役割を果たすのがこの揚水発電。
中部電力の奥美濃揚水発電所では、近年発電の回数が26%も増加しているそうです。
◆「ためる」とは、「すぐに使えないものを未来に備えること」
◎ すぐに役立つ知識だけが勉強ではない
中学生が因数分解を学んで「これ、将来使うの?」と疑問に思うことがあります。
高校生が化学の酸化還元反応に苦しみ、「将来こんな計算しないよね?」と不満げな顔を見せることもあります。
でも、そこで学んでいる知識は、“すぐには使えなくても、未来に使えるようにしておくための”蓄電池のようなものです。
大学受験、資格試験、社会での論理的思考力。どの場面でも「蓄えたものを引き出す」力が問われるのです。
◎ 水をくみ上げるのは、登るのと同じ。勉強は坂道だ
揚水発電で水を上に上げるのは、重力に逆らうエネルギーの要る作業です。
勉強も同じ。理解できないことを無理やり頭に入れようとするとき、人はものすごく疲れます。
でも、だからこそ「高い位置にある=ポテンシャルがある」のです。
高くまで登っておけば、必要なときに一気に落として発電できる。
しっかり学んでおけば、必要なときにスッと使える。
この「備え」は、目に見えないけれど、最も大きな力になるのです。
◆三重県大台町・小水力発電の再生
もう一つ、心に残ったのは三重県大台町の小水力発電所の復活です。
この取り組みは、地域の信金(北伊勢上野信金)や三重大、企業の「マツザキヤ」などが連携して支えています。
廃れていた発電所を地域の資源として蘇らせ、エネルギーの地産地消と観光資源化をめざすプロジェクト。
まさに「地元の力で地元を支える」モデルです。
ここにもまた、勉強との共通点があります。
◆「小さな力の積み重ね」が社会を動かす
中学生や高校生ひとりひとりの勉強は、「社会を動かすほどの大きな力」には思えないかもしれません。
でも、小さな力(=小水力発電)のように、それが集まれば大きな変化を生み出します。
やがて、地域の活性化、大学進学、就職、ひいては新しい未来を築く力になっていくのです。
私たち千尋進学塾も、「ひとりひとりの力を信じる」という意味で、この小水力発電所の復活に深く共感します。
◆「備えること」「支えること」に価値を見出す
電気も、学力も、すぐに使わないと意味がないように見えるかもしれません。
でも実際は逆です。
- 未来に備えておくこと
- 誰かを支えるために自分の力を貯めておくこと
こそが、長い目で見てもっとも価値がある行為なのです。
「勉強がしんどい」と感じているあなた。
それは、まさに水をくみ上げている最中です。
今は結果が見えなくても、必ず力になります。
◆さいごに:地域とともに、生きる学びを
今回紹介した2つの発電所は、どちらも「表に出にくいけれど、重要な役割を担う存在」でした。
そして、私たち千尋進学塾の目指す学びもまた、そんな存在でありたいと願っています。
目立たなくてもいい。派手じゃなくてもいい。
でも、確実に未来を照らせるように。
エネルギーと学びは、きっとつながっている。
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