2025年7月、名古屋に本社を置く中部電力が、青森県むつ市川内町において新たなバイオマス発電所の開発を進めているというニュースが報じられました。発電所の出力は1,990kW、約5,000世帯分の電力をまかなえる規模です。
この発電所が注目されている理由はただひとつ。
「木で電気をつくる」——つまり、木質バイオマス発電に取り組んでいるからです。
地元の“使われない木”が電力に変わる?
この発電所では、青森県の山林にある未利用材(使われない木や枝葉)をチップに加工し、それを燃やして発電します。
これがどう環境にいいのかというと——
- 🌲 二酸化炭素の排出が実質ゼロ(カーボンニュートラル)
- 🌲 山の整備と林業の活性化につながる
- 🌲 地域に雇用と経済の循環を生む
つまり、「自然」「経済」「地域」の三拍子そろったエネルギーなのです。
誰がこのプロジェクトを動かしているのか?
この発電所のプロジェクトには4つの主体が関わっています。
- 工藤林業株式会社(青森の林業会社・出資比率50%)
- 中部電力株式会社(名古屋本社の大手電力会社・出資比率40%)
- 株式会社エネグリ(森林資源活用のベンチャー・出資比率10%)
- むつ市(自治体)
この4者が連携し、クリーンウッドエナジー株式会社という事業会社を設立して、2026年夏に工事を開始、2027年12月の稼働開始を目指しています。
理科・社会・小論文に直結!?
このような話題は、実は高校入試や大学入試にも関係してきます。
- 理科(エネルギーと発電のしくみ)
- 社会(日本のエネルギー政策・地域振興)
- 英語(バイオマス=biomass)
- 小論文・面接(SDGs・再エネ・地方創生)
たとえば、「日本のエネルギー政策において、再生可能エネルギーの役割をどう考えるか」と聞かれたら、今回の事例はまさにリアルで具体的な答えになります。
「再エネって遠い話じゃない」と気づくきっかけに
三重県に住んでいると、青森県のニュースはなかなか身近に感じづらいかもしれません。
でも、名古屋に本社を持つ中部電力が関わっているこの事業は、私たちの未来にも直結しています。
- 山に放置されていた木が、エネルギーになる。
- 地方の林業が見直され、地元に仕事が増える。
- 子どもたちが自然と触れ合い、未来を考えるきっかけになる。
そんな「人と自然のいい関係」をつくろうとしている人たちが、今、確かにいるのです。
教室長より
中学生や高校生には、まだ「エネルギー」や「環境問題」はどこか遠い話に感じられるかもしれません。でも、実際にはこうして“目の前の木”が未来を変えるかもしれない——そんな時代がもう始まっています。
理科や社会の授業の中で、
受験の小論文や面接の中で、
そして日々のニュースを見る目の中で、
「この話、聞いたことある」と思える知識が、
きっとあなたの視野を広げてくれるはずです。
✅ エネルギー・環境・社会問題についてのご相談も、お気軽にどうぞ。
千尋進学塾では、勉強だけでなく「社会とつながる学び」も大切にしています。
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