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小林秀雄――“ものの見方”を問い続けた文芸評論の先駆者

「評論家」という言葉を聞くと、少し堅苦しい印象を持つ方もいらっしゃるかもしれません。ですが、小林秀雄という人物は、“評論”の枠を超えて、日本の文学・思想・芸術の世界に深い問いを投げかけ続けた存在です。本記事では、その生涯と思想のエッセンスをご紹介します。

目次

小林秀雄とは?

  • 名前:小林 秀雄(こばやし ひでお)
  • 生年月日:1902年4月11日
  • 没年月日:1983年3月1日
  • 出身地:東京府(現在の東京都)
  • 学歴:旧制第一高等学校 → 東京帝国大学文学部仏文科(中退)
  • 職業:文芸評論家・随筆家・作家
  • 代表作:『様々なる意匠』『私小説論』『本居宣長』『読書』ほか

評論家という新しい職業の創出

小林秀雄は、日本で初めて“文芸評論”を独立した表現形式として確立した人物と言われています。 それまでの評論は、作品を評価・批判するにとどまっていましたが、小林はまるで文学作品のような文章で、文学そのものと対話するように語りました。

その姿勢は、「作家の言葉をそのまま生かす」こと、「論理ではなく直観を重視する」ことに貫かれており、 多くの後進の思想家・批評家たちに影響を与えました。

名言から読み解く小林秀雄の思想

「ものをみるとは、自己をみることにほかならない。」

この言葉が示すように、小林は“ものの見方”そのものを問い続けました。 何を見るかよりも、“どう見るか”。それこそが人間の本質を問う行為であるという信念が彼の思想の根底にあります。

教育・受験との関わり

小林秀雄の文章は、現在でも高校の現代文教材としてたびたび登場します。 読みにくい、難しいという印象を持たれがちですが、それは彼が「考えること」の深さに挑戦していた証拠でもあります。 受験を超えて、“思考する”とはどういうことかを学べる数少ない教材のひとつとも言えるでしょう。

おわりに

小林秀雄は、単なる“評論家”ではありませんでした。彼の生涯を貫いたのは、「考えるとは何か」「見るとはどういうことか」という根源的な問い。 そのまなざしは、AIやSNSが発達した今こそ、私たちが見直すべき“思考の姿勢”を示してくれるのではないでしょうか。

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