一人ひとりを見守る少人数制の塾です。 お問い合わせ

🇱🇸 レソトよ、キューバに学べ――“人材が世界に貢献する国”が生き抜く道

小さな村の前で黒板を使って学ぶ子どもたちを背景に、医師が旅立つ姿のイラスト

国の大きさや資源の豊かさだけが、国の未来を決めるわけではありません。
かつて冷戦下に孤立したカリブ海の島国・キューバは、教育と医療に全力を注ぎ、「人材そのものが世界に貢献する国」としての立場を築いてきました。

そして今、アフリカの小国・レソトもまた、同じ問いに向き合っています。
「資源も影響力も限られた国が、いかにして世界の中で尊重され続けるか?」
その答えのヒントが、キューバの戦略にあるのです。

目次

🩺 キューバの国家戦略:医師と教育で世界とつながる

冷戦下、キューバは経済封鎖により外貨も物資も制限されたなかで、あえて「人への投資」に国運をかけました。
特に顕著だったのが「医療人材」の育成です。

  • 高度な医療教育を国内に整備し、世界中の学生を無償で受け入れる
  • 育成した医師を、ラテンアメリカ・アフリカ・アジアなどの医療不足地域へ派遣
  • 災害や感染症流行時には、真っ先に国際支援チームを派遣

その結果、キューバは「貧しくても尊敬される国」「医師を通じて信頼を築く国」として、国際社会から孤立することはありませんでした。

🌍 レソトが置かれた現在地と共通点

アフリカ南部に位置するレソトは、2024年末にアメリカから関税優遇措置(AGOA)を打ち切られ、主要産業である繊維輸出が崩壊寸前に陥っています。
繊維工場の閉鎖、雇用喪失、外貨収入の激減。まさに「生き残る道を探るしかない」状態です。

しかし、レソトにはキューバと同様に「人材」という可能性があります。

  • 英語が通じる高い教育水準
  • 南部アフリカで求められる医療・IT・農業分野の基礎人材が育ちつつある
  • 出稼ぎを前提としない「専門職志向のキャリア育成」へと転換する余地

✈️ レソトの未来像:知識と技術を届ける“連携国家”へ

レソトが目指せるのは、「安価な労働力」ではなく「専門性ある人材によって信頼を築く国家」です。
たとえば、次のようなビジョンが考えられます。

  • 南アフリカ地域の“教育・保健拠点”として機能する大学や職業訓練校を育成
  • 医療人材・農業支援人材をアフリカ諸国へ派遣する制度を確立
  • 国として“国際貢献に強みを持つ”ブランドイメージを形成

これは単なる理想論ではありません。
国連やアフリカ連合の枠組みを活用すれば、初期段階から多国間支援や提携を得られる現実的な戦略でもあります。

🏫 教育を国防に変える視点

ここでもやはり「教育」が中核を担います。
単に読み書きや計算を教えるのではなく、「世界とつながるための知識」「他国の課題に応える力」を育てるカリキュラムと制度設計が必要です。

これは、日本の教育にも重なる視点です。
小さな地域の塾や学校でも、「学びを通じて世界と関われる人を育てる」ことは、未来への防御であり、挑戦なのです。

✍️ まとめ:レソトは、信頼で生きる国になれる

大国の力に抗うのではなく、
“必要とされる存在”として世界に居場所を築く。

それは、キューバが歩んできた道であり、
これからのレソト、そして他の多くの小国にも開かれた未来のかたちです。

「人材が世界に貢献する国」
それは、数字では測れない尊厳と、自立への道です。

📘 用語解説:キューバ危機(Cuban Missile Crisis)

キューバ危機とは、1962年10月、アメリカとソ連がキューバをめぐって直接核戦争の瀬戸際に立たされた国際的緊張事件です。

🔹 背景

  • キューバ革命(1959年)でカストロ政権が誕生し、アメリカと対立。
  • ソ連がキューバに核ミサイル基地を建設し、米本土が射程に入る事態に。

🔹 危機の展開

  • アメリカ偵察機が基地建設を確認。
  • ケネディ大統領は海上封鎖を宣言し、米ソは開戦寸前まで対立。
  • ソ連がミサイル撤去を約束し、アメリカもトルコからの撤去を合意。

🔹 意義

  • 核戦争の危機を回避した歴史的事件。
  • 外交交渉と抑制の重要性を世界に示した。
  • キューバは以後、地政学上の存在感を強めつつ、独自の国家像を追求。

このように、キューバは危機を通じて「孤立に耐えながら存在感を示す国」として知られるようになりました。

📚「差のつく!読解のチカラ育成講座シリーズ」記事一覧

よかったらシェアしてください!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次