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観測史上最高の暑さに包まれて
2025年8月5日、群馬県伊勢崎市で41.8度という日本の観測史上最高気温が記録されました。全国でも40度超の地点が14か所、35度以上の猛暑日が289か所にのぼり、「災害級の暑さ」と呼ばれる一日となりました。
猛暑は単なる「夏の一コマ」ではなく、私たちの命を脅かす現実的な危機です。そして、この記録的な暑さの裏には、「フェーン現象」という気象現象がありました。
フェーン現象とは何か?
フェーン現象とは、山を越える際に空気が乾燥・加熱され、風下側で気温が急激に上がる現象です。以下の図式で整理できます:
- 風上側:湿った空気が上昇し、冷却・雲の生成・雨
- 山頂通過後:乾燥しながら下降、圧縮されて加熱
- 風下側:気温が上昇、地上で通常以上の高温に
例として、地上で20℃だった空気が山を登りながら5℃まで冷却された後、乾燥して降りてくる際に25℃に達することがあります。結果的に、風上よりも5〜10℃も高くなる場合もあります。
気象配置とフェーンの重なり──2025年8月5日のケース
この日の日本列島は太平洋高気圧とチベット高気圧のダブル高気圧に覆われていました。この“蓋”により地表付近の空気が閉じ込められ、さらに西からの風が関東山地を越える際にフェーン現象を引き起こし、伊勢崎市などの内陸地域で記録的な高温となりました。
命を守る「気象リテラシー」を、子どもたちに
塾という場では、受験のための知識ももちろん重要ですが、「なぜこんなに暑いのか?」という日常の疑問に答える力こそ、本物の学びに繋がります。フェーン現象は以下のような教科横断的な学びに活かせます:
- 地理:地形と風の関係、内陸と沿岸の気温差
- 理科:気体の断熱変化、圧縮加熱
- 保健:熱中症の原理と予防
- 探究:命を守る地域防災と科学的思考
教室からのメッセージ:この夏を、安全に、賢く乗り切ろう
千尋進学塾ではエアコンの稼働や生徒の体調への配慮を徹底しています。生徒には「喉が渇く前に水分補給」「夜間も室温チェック」「通塾時の体調管理」などを呼びかけ、学びを止めず、命を守る夏を実現しています。