数学の勉強でよく見かけるのが、絶対値の式に対して「とりあえず±をつける」という解き方です。
たしかに手順としては見た目がスッキリしますが、実はこれ…高校数学では事故のもとになります。
今回はSNSでも見かけた次の式を例に、「何がまずいのか」「何が正しいのか」を塾目線で整理します。
問題:この式を解いてみましょう
次の方程式を解きます。
|x+3| = 2x
動画などでよくある解き方は、こうです。
x+3 = ±2x
一見するとスマートに見えるのですが…ここに大きな落とし穴があります。
ダメな理由①:右辺は「絶対に0以上」でないといけない
絶対値は必ず0以上です。
|x+3| ≥ 0
したがって式が成り立つためには、右辺も0以上である必要があります。
2x ≥ 0 → x ≥ 0
つまり最初に、「x ≥ 0」という条件が入ります。
ここを無視して進めると、最後に「不正解の解」を拾ってしまいます。
ダメな理由②:「±」は万能ではない(場合分けが必要)
絶対値の式は、基本的に場合分けをして解きます。
(1)x+3 ≥ 0 の場合
このとき、|x+3| = x+3 なので
x+3 = 2x → x = 3
(2)x+3 < 0 の場合
このとき、|x+3| = -(x+3) なので
-(x+3) = 2x → -x-3 = 2x → x = -1
ここまでやると、解は
x = 3, -1
…のように見えます。
でも、ここで終わると事故る(解のチェックが必須)
最初に見た条件を思い出してください。
x ≥ 0
これをチェックすると
- x = 3 → OK
- x = -1 → NG(右辺 2x が負になるので絶対値と等しくならない)
したがって答えは
【答】x = 3
塾の先生として一番怖いのは「誤学習」です
このタイプの解き方が危険なのは、
「絶対値=とりあえず±」
という誤学習を生徒に植え付けるからです。
数学は「それっぽく解けた」ではなく、
条件・場合分け・検算まで含めて完成です。
特に共通テストや国公立二次では、こういう見落としがそのまま得点差になります。
まとめ:「スマートな解法」より「事故らない解法」を
絶対値の式で大事なのは
- 絶対値の性質(0以上)を意識する
- 場合分けを丁寧にする
- 最後に条件をチェックする
です。
もしお子様が「絶対値の式は±をつけるんでしょ?」と言い出したら、要注意。
塾ではこういう誤解を潰しながら、得点につながる解法を徹底しています。
千尋進学塾では高校数学の「思考の型」を徹底的に鍛えます。
体験授業・学習相談も受付中です。お気軽にお問い合わせください。




