こんにちは、千尋進学塾です。
「うちの子、将来はトヨタに入りたいって言ってます」
「親が関連会社だから、興味はあるみたいです」
…そんな声を、保護者の方からよくお聞きします。
実は今、そのトヨタ自動車がとても大きな動きを見せています。
関係のある会社「豊田自動織機(とよだじどうしょっき)」を、自分たちのグループの中に取り込み、株式市場から“上場廃止”させるという話が進んでいるのです。
「それってどういうこと?」「私たちに関係あるの?」
そう思った方のために、なるべくわかりやすくご説明します。
なぜ注目なの?──実は“ルーツ”企業
「豊田自動織機」は、トヨタ自動車の“ルーツ”にあたる会社。
トヨタグループの始まりは、実は車ではなく「織機(しょっき)=織物を作る機械」からでした。
この豊田自動織機は今も大企業の1つで、トヨタの株を9%以上持っているほど。
また、桑名市のすぐお隣「いなべ市」にも関連工場があり、塾生たちにとっても将来の就職先になりうる存在です。
だからこそ、今回のニュースは私たちにとっても“他人ごとではない”のです。
何が起きるの?──簡単にいうと「グループ内の再編」
- トヨタは、グループ経営を強化したい
- 豊田自動織機を完全に自分たちの管理下に置くため、株をすべて買い取って「上場廃止」にしようとしている
- 金額はなんと6兆円規模
- お金は銀行からの借り入れや、トヨタ自動車・関係会社・創業家の出資でまかなう
保護者の皆さまへ──“安定企業”も変化を求める時代に
今回の動きには「投資家の声」も影響しています。
投資家の中には「株を持ち合っているだけではなく、もっと効率的にお金を使って成長してほしい」とトヨタにプレッシャーをかけてきました。
そのため、
- トヨタはより柔軟な経営判断を行うため
- 「上場企業」という立場から自由になることで、グループ内の改革を進めやすくする
という判断をしたと考えられます。
これは言い換えれば、トヨタグループにとっても「次の時代の経営を見据えた大きな決断」ともいえます。
高校生のみなさんへ──就職先の“中のしくみ”を知っておこう
今回の話は難しく感じるかもしれませんが、要はこうです。
「大企業も変化する。だからこそ“変化に対応できる人”が求められている」
トヨタグループに就職したいなら、単に「大手で安定しているから」ではなく、
- 自動車産業のしくみ
- グループ経営の考え方
- 海外とのつながり
などにも少しずつ目を向けておくと、大学での学び方や就職活動に差がつきます。
用語解説:カンタンまとめ📝
用語 | 意味 |
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TOB(株式公開買い付け) | 株式市場の外で、まとめて株を買い取ること。企業買収によく使われます。 |
非公開化(上場廃止) | 株を市場で取引できないようにし、特定の企業が完全に支配できるようにすること。 |
SPC(特別目的会社) | 買収や投資など“特定の目的”のためだけに作られる会社。トヨタが主導しています。 |
株の持ち合い | 関連企業同士で株を保有し合うことで、経営を安定させるやり方。ただし時代にそぐわない面も。 |
教室からひとこと
千尋進学塾では、「今の勉強が、将来どこにつながっているのか」を一緒に考える姿勢を大切にしています。
今回のような経済ニュースも、“将来を考える材料”の1つ。
「将来、どんな会社で働きたいか」
「どんなスキルを身につけておきたいか」
勉強の合間に、少しだけでも考えてみてくださいね。