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9月の満月と中秋の名月(2025)—皆既月食の見どころと伝統文化

満月の前で餅をつくウサギのシルエットと竹の影

9月は秋の気配が深まり、夜空の満月がひときわ美しく見える季節です。2025年は、日本全国で皆既月食が重なる特別な年。この記事では、2025年9月の満月と皆既月食の見どころ日本の「中秋の名月」昔話や文学・他国の文化まで、読みやすく解説します。


目次

2025年のポイント(要約)

  • 満月の瞬間:2025年9月8日(月)03:10(JST)
  • 皆既月食:9月8日(月)未明に日本全国で観測可能
    (部分食開始 01:27頃/皆既食 02:30–03:52頃/食の最大 03:11頃/半影食終了 05:55頃)
  • 月の呼び名:2025年の9月は「コーンムーン」。秋分に最も近い満月が「ハーベストムーン」ですが、2025年は10月の満月が該当します。
  • 惑星の話題:9月は土星が見頃。満月の翌夜以降、月と土星が近づく様子も楽しめます。

9月の満月と皆既月食(観察ガイド)

2025年の9月は、満月と皆既月食が同じ未明に起こります。皆既中の月は太陽光が地球の大気で赤く散乱するため、赤銅色(いわゆる“ブラッドムーン”)に見えます。

観察の目安(JST・日本標準時)

  • 半影食の開始:2025年9月8日 00:28頃
  • 部分食(本影)開始:9月8日 01:27頃
  • 皆既食:9月8日 02:30頃~03:52頃(食の最大 03:11頃
  • 半影食の終了:9月8日 05:55頃

見やすい方角・コツ

  • 皆既中~明け方は月が低くなるため、西~西南西の地平線が開けた場所を選びましょう。
  • 肉眼で安全に観察できます。望遠鏡や双眼鏡があれば色味のムラや暗部の表情がよく分かります。
  • 写真撮影は三脚+高感度設定が便利。月の明るさが落ちる皆既中は露出を少し長めに。

月の見え方

満月は日没直後に東から昇り、夜通し見え、明け方に西へ沈みます。地平線近くでは大気の影響と「月の錯視」で大きく橙色っぽく感じられ、天頂側では白く冴えて見えます。秋は空気が乾いて澄むため、年間でも月が美しい季節です。


「中秋の名月」と日本のお月見

日本では旧暦8月15日の月を特に「中秋の名月(十五夜)」と呼び、平安時代から観月の宴が開かれてきました。現代のお月見では、月見団子ススキ里芋・栗・枝豆・葡萄など秋の収穫物を供え、豊作と無病息災を願います。「芋名月」と呼ばれるのはこの名残です。あわせて、旧暦9月13日の「十三夜」(栗名月・豆名月)の月見も日本独自の風習として伝わっています。


昔話と文学に登場する月

  • 竹取物語(かぐや姫):クライマックスは中秋の名月の夜。満月の神秘性を象徴的に描きます。
  • 月のウサギ:月面模様を餅つきのウサギに見立てる伝承。仏教説話(ジャータカ)に由来する自己犠牲の物語としても知られます。
  • 俳句・和歌:芭蕉「名月や池をめぐりて夜もすがら」、一茶「名月を取ってくれろと泣く子かな」など、秋の月は豊かな感情を映す題材でした。

世界の文化と9月の満月

中国の中秋節は旧暦8月15日の満月を祝う行事で、月餅を分け合い家族円満を願います。

韓国の秋夕(チュソク)やベトナムの中秋祭も家族・子ども中心の月見の行事。

欧米では、農事暦の呼び名(Corn MoonHarvest Moonなど)が季節の指標として親しまれてきました。

なお、2025年は秋分(9/23)に最も近い満月が10月のため、9月は「コーンムーン」とされます。


おわりに

2025年の9月は、科学的にも文化的にも濃密な「月の季節」。皆既月食という一夜限りのショーと、名月をめぐる物語や行事を一緒に楽しみながら、自然と季節に目を向けるきっかけにしてみてください。

千尋進学塾の一言
天体現象などの自然について知っておけば,中学・高校と難しくなっていく中で,理科の学習に役立ちます。さらに,日々の生活の知恵として応用することができます。

(注)記載の時刻は日本標準時(JST)。実際の見え方は天候・地平線の開け具合で変わります。

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