受験生にとって数学は、ときに“重厚なパズル”のように感じられます。
しかし、難問ぞろいの高校入試でも──とくに、日本屈指の難易度を誇る開成高校ですら── 驚くほど美しい問題が出題されることがあります。
最近、SNSでも話題になったこちらの1問をご存じでしょうか。
■ 問題
次の等式を満たす自然数 y を求めよ。
1052 + 3602 = y2
数字だけ見ると強そうですが、実はこれは“数学のセンス”を鍛える絶好の素材。
計算力よりも「見る力」が問われる問題です。
■ 解き方のポイント:まずは分解して眺める
105 と 360、それぞれの数をじっと観察してみると──
- 105 = 15 × 7
- 360 = 15 × 24
という共通因数 15 が見えてきます。
これに気づくと一気に視界が開けます。
■ 整理してみると…
式を順に整理してみます。
1052 + 3602
= (15×7)2 + (15×24)2
= 152(72 + 242)
ここで、さらに 72 + 242 を計算すると、
72 + 242
= 49 + 576
= 625 = 252
したがって、
152 × 252 = (15×25)2 = 3752
つまり、
y = 375
ということになります。
■ この問題から学べる“数学のセンス”
今回の問題が教えてくれるのは、
「いきなり計算するのではなく、構造を眺める」
という数学の本質的な姿勢です。
塾でもよくお話しするのですが、
“速い計算”より前に“良い観察”があれば、ほとんどの問題は驚くほど楽になります。
特に中学生・高校生は、
- 「因数を見る目」
を育てるだけで成績が安定し、難問にも強くなります。
■ 千尋進学塾の数学指導のスタイルとも一致
この「構造を見る姿勢」は、当塾が大切にしている学習法と完全に一致します。
- 手を動かす前に、まず問題の構造をとらえる
- ただの作業ではなく、“見抜く力”を育てる
- 無駄な計算を避け、最短ルートで解決する思考を身につける
受験数学は、ただの根性勝負ではありません。
正しい視点があれば、もっと楽に、もっと楽しく、強くなれます。
■ まとめ
今回紹介した開成レベルの問題は、
「見る力」があれば“瞬殺”できる美しい一問
です。
計算が苦手でも大丈夫。
大切なのは、
「数字の裏にある構造を読む習慣」
です。
千尋進学塾では、こうした“思考力を育てる指導”を大切にしながら、
生徒一人ひとりのペースに合わせた少人数指導を行っています。
数学が苦手な子にも、得意な子にも、
“解ける喜び”をしっかり積み重ねてもらえるよう、これからもサポートしていきます。
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