一人ひとりを見守る少人数制の塾です。 お問い合わせ

「なぜ外国人に運転を認めるのか?」──外免切替厳格化のニュースから見る、日本・世界・そしてこれからの教育

日本の高速道路を走る車と、その背後に描かれた地球をモチーフにしたイラスト。

三重県警が外国で取得した運転免許の切替審査を厳格化し、合格率が急落したというニュースが話題になりました。

知識確認の合格率は 87.6% → 34.3%、技能確認は 約20% → 1.8%
数字だけを見れば驚くのも当然です。

ですが、このニュースこそ、
「日本の制度」「国際的な常識」「これからの社会の課題」
を考えるきっかけになります。

そして、誰もが心の中に抱く3つの疑問──

  • ① なぜ外国人に運転させる必要があるの?
  • ② 急に厳しくして問題はないの?
  • ③ 国際条約との関係は? そして諸外国ではどうなの?

この3つを順に解きほぐしていくと、日本の未来の姿まで見えてきます。

伊勢新聞の報道によると

三重県内の外国免許切替審査について、2025年10月以降の厳格化により通過率が大幅に低下したと報じられています。特に「知識確認」は出題数が10問から50問に増え、通過に必要な正解数も9割に引き上げられたため、合格率は昨年の87.6%から34.3%へと約53ポイント低下しました。

また、「技能確認」でも昨年約20%だった通過率が、今年10月は1.8%にまで落ち込んでいます。県警担当者は「厳格化の影響とみられるが、今後の推移を見守りたい」とコメントしています。

(参照:伊勢新聞「外国免許切替、通過率が急落」


目次

①「そもそも、なぜ外国人に車を運転させるのか?」

これは一見“言ってはいけない疑問”のようでいて、実は非常に重要な問いです。

● 車は「生活のインフラ」

地方では車がなければ生活が成り立ちません。
日本人であれ外国人であれ、生活者である以上、車は必需品です。

● 経済活動が成り立たない

物流・観光・建設・介護など、人手不足が深刻な業界は特に「運転できる労働者」を必要とします。

世界的に見ても、
「外国人だから運転を認めない」という発想は存在しません。
必要なのは、
「安全に運転できるか」を確認する仕組み
であり、それが外免切替制度です。


②「急に厳しくして問題はないの?」

ここで重要なのが、
「世界中で外免切替は厳格化の方向にある」という事実です。

■ 諸外国の状況を具体的に比較してみる

● 【EU】厳密な相互承認&追加講習が当然

EU圏では「相互承認」があると誤解されがちですが、実際は次の通りです。

  • 国・地域ごとに免許制度の質が違う
  • 移住後6か月以内の再試験義務がある国もある
  • 国によっては 追加講習・座学・実技チェック が必要

特にドイツ・フランスなどは「第三国の免許」に慎重で、
日本よりも厳しい審査を行うケースが多々あります。

● 【アメリカ】州の権限が強く、多くの州で“事実上の再試験”

アメリカは国ではなく「州」が免許制度を運営します。

  • ある州では外国免許所持者でも 全員、学科・技能試験をゼロから受験
  • 別の州では一部免除
  • また別の州では厳格な身元確認を要求

つまり、
日本よりずっと“再試験が当たり前”の国です。

● 【オーストラリア】免許ランク・取得国によって扱いが全く異なる

  • 国際条約加盟国でも免許の評価が異なる
  • 国ごとに「レベル1~4」の信頼度ランク
  • 低ランク国の免許保有者は 学科・技能試験の両方が必須

地域によっては日本よりも審査が重い場合があり、
運転技能の確認を極めて重視しています。

● 【アジアの例:シンガポール】

  • 外免切替は可能
  • ただし 筆記試験は必ず受験
  • 国際免許の扱いも厳しく、期間や条件が細かく規定

アジアの中でも「ルールの厳密さ」が突出している国の一つです。

● こう見てみると?

諸外国と比較すると、
日本の今回の厳格化はむしろ「国際的には標準レベル」であり、
特別厳しいわけでも、差別的でもありません。

むしろ、
安全のために必要な措置であり、国際的にも十分理解されうるもの
と言えます。


③「国際条約は? 日本は違反していない?」

結論はシンプルです。

日本の厳格化は国際法違反ではありません。
むしろ国際条約が“各国の自由裁量”を認めています。

● 主な条約

  • 1949年ジュネーブ交通条約
  • 1968年ウィーン道路交通条約(日本は未加盟)

これらは、

  • 国際運転免許証の形式
  • 道路標識の国際基準

などを定めています。

● しかし「外国免許を自動承認しなさい」とは書かれていない

条約にははっきりと、

各国は自国の法制度に基づき、運転の許可・制限・確認を行える。

と示されています。

つまり、

  • 日本が試験を50問に増やしても
  • 技能チェックを厳しくしても
  • 住所確認を強化しても

国際法上まったく問題はないということです。


■ 外免切替制度の「核心」は何か?

要点をひと言でまとめれば、

日本の道路を安全に保つため、国際条約に沿って適切に審査する制度。

外国人を特別扱いしているわけでも、排除しているわけでもありません。
“全ての人の安全”のために必要な行政手続きです。


■ 教室長として、このニュースから考えること

ここからは、教育の現場に立つ者としての視点です。

日本はこれから、歴史上最大規模の超少子高齢化を迎えます。
総人口は明治維新期と同レベルにまで減少し、

  • 道路・水道・電気などのインフラ
  • 保育・介護などの人手不足

は避けて通れません。

外国人労働者の受け入れ、多文化とどう向き合うか──
今回の外免切替の話題も、この大きな流れの一部です。

だからこそ、私たちは、

  • 正しい知識を身につけること
  • 感情と情報を分けて考えること
  • 社会の現実を理解し、自分で判断する力

を育てる必要があります。

千尋進学塾では、受験だけでなく、
読解力・基礎学力の向上を通じて「地域を支える人材」を育てたい。

今回のニュースは、教育の役割の大きさを改めて実感させてくれました。

参考文献・関連リンク

  1. 三重県警察「外国免許からの切替について」
    https://www.police.pref.mie.jp/licence/licence_kirikae.html
  2. 伊勢新聞「外国免許切替、通過率が急落 審査厳格化で三重県警」
    https://www.isenp.co.jp/2025/11/30/139456/

📚「差のつく!読解のチカラ育成講座シリーズ」記事一覧

よかったらシェアしてください!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次