中学生〜高校1年生|数学でやってはいけない「禁忌」集
数学で点を落とす原因の多くは、難問に歯が立たないことではありません。
実際には、「やってはいけない操作」を無意識にやってしまうことによる自滅がほとんどです。
この記事では、中学生内容から高校1年生(数I・A)までを通して、 絶対に避けたい典型的なミス=禁忌を整理します。
A.中学生範囲(復習だが最重要)
① 0で割る・0かもしれない文字で割る
NG例: x(x−3)=0 → x−3=0
0になる可能性のある文字で割ると、解を自分で消してしまいます。
正: x=0 または x=3
割る前に「0じゃない?」を確認
② マイナスで割って不等号を返さない
NG例: −2x<4 → x<−2
正: x>−2
マイナスで割ったら不等号は逆
③ 展開で2倍を忘れる
NG例: (x+3)2=x2+9
正: x2+6x+9
真ん中の項は必ず出る
④ √は必ず0以上
NG例: √((-5)2) = −5
正: 5
平方根はマイナスを出さない
⑤ 足し算・引き算は約分できない
NG例: (x+2)/x = 2
約分できるのは掛け算だけ
B.高校1年生・数Iで急増する禁忌
⑥ 2乗・平方根で解が増減するのを忘れる
2乗すると情報が減り、戻すと ± が生まれます。
平方・平方根の後は必ず代入確認
⑦ √(a2) を a と決めつける
NG例: √((x−1)2) = x−1
正: |x−1|
√と絶対値はセット
⑧ ルートを勝手に分配する
NG例: √(a+b)=√a+√b
正: √(ab)=√a√b(a,b≥0)
⑨ 分母に文字があるのに定義域を書かない
NG例: x/(x−2)=1 → x=x−2
x≠2 を必ず明示
⑩ 二次方程式で割って解を消す
NG例: x2=3x → x=3
正: x(x−3)=0 → x=0,3
C.数A(場合分け・論理)での禁忌
⑪ 「または」「かつ」を感覚で処理
言葉の意味を集合(∪・∩)で確認しないと事故が起きます。
⑫ 絶対値なのに場合分けをしない
NG例: |x|=x
正: x≥0 と x<0 に分ける
⑬ 「すべての」「ある」を読み飛ばす
存在条件と全称条件の取り違えは、入試では致命的です。
まとめ
数学で失点する最大の原因は、知識不足ではなく禁忌違反です。
難問対策の前に、まずは「やってはいけないこと」を身体に染み込ませる。
それだけで、定期テストも入試も安定感が大きく変わります。
📚「差のつく!読解のチカラ育成講座シリーズ」記事一覧
- ① “国語が苦手”は勘違い?読解力の正体、教えます
- ② “読めてるつもり”が一番危ない!読み飛ばし世代に欠けている力
- ③ 応用問題が解ける子の秘密は“読む力”にあった!
- ④ 読解力は国語だけの話じゃない!算数・理科にも効く“読みの技術”
- ⑤ 説明文が苦手な子に足りないのは“読書”じゃなく“論理力”
- ⑥ 小論文・推薦入試で差がつく!読解力×論理力の真価とは
- ⑦ 本を読むだけでは“読解力”は育たない?間違った読解力の鍛え方
- ⑧ “選択肢の消去法”で点が取れない子へ。論理的に読む力、ついてますか?
- ⑨ 読解力は“後からでも”伸ばせる?苦手意識をひっくり返す塾のトレーニング
- ⑩ 読解力と成績の相関関係|トップ層が必ず持っている“読みの技術”




