1.「祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり」―歴史に刻まれた言葉
多くの日本人にとって、どこかで聞いたことのあるこの一節。実は、これは『平家物語』の冒頭であり、日本文学史における最も有名な書き出しのひとつです。
祇園精舎の鐘の音 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす
この美しい響きに隠されたのは、「すべてのものは変わる」「栄えたものも、やがては滅びる」という仏教の真理です。
2.「諸行無常」とは、すべてが移り変わるということ
「諸行無常(しょぎょうむじょう)」は仏教の基本的な教えのひとつで、「この世のあらゆるものは常に変化していて、決して永遠ではない」という意味です。
たとえ今はうまくいかないと感じていても、それは永遠ではありません。逆に、今成功していても、慢心すればあっという間に崩れてしまいます。
3.「盛者必衰」―だからこそ、謙虚さと努力を忘れずに
「盛者必衰(じょうしゃひっすい)」とは、「勢いのある者も、いつかは衰える」という真理をあらわしています。
成功しているときこそ油断せず、淡々と努力を続ける。逆に言えば、今は目立っていなくても、静かに力を蓄えていけば、必ず花が咲く日が来る。それが、この言葉の持つもう一つの意味です。
4.勉強における「無常観」―今こそ、一日一日を大切に
勉強も人生も、「絶対に変わらないもの」なんてありません。たとえ今は成績がふるわなくても、行動と習慣を変えれば結果は変わります。
だからこそ、「もう○日しかない」ではなく「あと○日もある」と考えましょう。これは、千尋進学塾が大切にしているスタンスでもあります。
中学2年生の古典で学習しますね。
5.この言葉に触れられる場所:三重県津市河芸町の「円光寺」
実は、この『平家物語』の世界を体感できる場所が、三重県にもあります。
それが、津市河芸町にある「円光寺(えんこうじ)」です。
■ 沙羅双樹が咲き誇るお寺
円光寺の境内では、毎年6月ごろに沙羅双樹の花が見頃を迎えます。
白く清楚なその花は、まさに『平家物語』が描く「盛者必衰の理(ことわり)」をあらわす存在です。
📍 円光寺(〒510-0304 三重県津市河芸町上野2861)-Googleマップ-
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📝 観光三重(三重県河芸町円光寺 かわげちょうえんこうじ)
6.おわりに:今を見つめ、静かに力を蓄える
美しい花も、やがて散る。だからこそ、今この瞬間を大切に。
そんな静かなメッセージを、円光寺の沙羅双樹は私たちに語りかけてくれているようです。
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✨追伸|Instagramをされている方へ
三重県・円光寺の「沙羅双樹」は写真映えも抜群。
特に朝の光の中で咲く姿は、『平家物語』の一節そのものです。
気になる方はぜひInstagramで「#円光寺
」「#沙羅双樹
」で検索してみてくださいね。
※この記事内の「理をあらわす」は原典では「顕す」とも書かれ、真理を明らかにするという深い意味を持っています。現代ではわかりやすくひらがなで表記しています。
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