40人いれば「同じ誕生日」の人がいる?数学で検証!|誕生日のパラドックス
「クラスに40人いれば、同じ誕生日の人がいる確率はとても高い」
そんな話を聞いたことはありませんか?
実はこれ、「誕生日のパラドックス」と呼ばれる有名な数学の話題なんです。
しかも、その確率はなんと90%近く!
今日は、小学生でもわかる直感的な計算から、
大学生レベルの厳密な数学まで、段階的にこの現象を読み解いていきましょう!
結論:40人いれば「同じ誕生日」の人がいる確率は約89%!
そう、かなりの高確率で同じ誕生日のペアが存在します。
思っているよりずっと「かぶる確率」は高いんですね。
① 小中学生でもわかる!ざっくり計算
まず考えてみましょう。1年には365日ありますよね。では、クラスに2人しかいなかったら?
1人目の誕生日は何でもOK。次の人が1人目と違う誕生日である確率は「364/365」です。
じゃあ、3人目が2人とも違う誕生日になるには…「363/365」です。
このように、1人ずつ増えるたびに「前の人たちとかぶらない確率」が減っていきます。
- 2人目:364/365(1人目と違う)
- 3人目:363/365(前の2人と違う)
- 4人目:362/365(前の3人と違う)
- …
- 40人目:326/365
この全部をかけていくと、
「誰ともかぶらない確率」 ≒ 0.109
ということは、
「誰かとかぶっている確率」 ≒ 1 – 0.109 = 約89.1%
なんと9割近くの確率で「同じ誕生日の人がいる」という結果になるのです!
これは直感とはかなり違う結果なので、「パラドックス(逆説)」と呼ばれているのですね。
② 高校数学(中級)での近似計算
かぶらない確率はこう近似できます:
P(一致なし) ≈ e^{-n(n-1)/(2×365)}
n=40の場合:
e^{-40×39/730} ≈ e^{-2.137} ≈ 0.118 → 一致する確率 ≈ 1 - 0.118 = 約88.2%
③ 高校数学の応用(対数展開)
厳密にはこう:
P(n) = (365!)/((365-n)! × 365^n)
これを対数にして展開:
log P(n) ≈ -n(n-1)/(2×365)
⇒ 高校数学の指数近似は理論的に正当だった!
④ 大学生数学(解析・確率論)での理解
- マクローリン展開でlog(1 – x)を展開
- ポアソン分布で衝突の期待値を導出
- 暗号学でも「バースデー攻撃」として応用
ポアソンのλ = n(n-1)/(2×365)とすると:
P(一致なし) ≈ e^{-λ} → 一致する確率 ≈ 1 - e^{-λ}
まとめ:レベル別に振り返ってみよう
レベル | アプローチ | 一致確率 |
---|---|---|
① 小中学生 | かけ算でざっくり | 約89.1% |
② 高校数学 | 指数関数で近似 | 約88.2% |
③ 高校数学(理論) | 対数展開 | 約88〜89% |
④ 大学生数学 | 解析・ポアソン・応用 | 理論的に正確 |
最後に:学びの出発点は「おもしろそう」から
このように、同じ問題でも、小・中・高・大とさまざまな方法で考えることができます。
最初は「へえ〜そうなんだ!」という驚きや興味からで十分です。
そこから「なぜ?」「どうして?」と深掘りしていくうちに、学びの意欲や思考力が自然と育っていきます。
身近な話題から始める数学の世界、ぜひあなたも一歩踏み込んでみてください。
(執筆:千尋進学塾 桑名駅前校 理系担当監修)
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