2025年12月17日(水)、SBI新生銀行が東京証券取引所の「プライム市場」に上場した、というニュースが出ました。「銀行のニュースって難しそう…」と思うかもしれませんが、実は“社会のしくみ”を理解するのにちょうど良い題材です。今回は中学生でもわかる言葉で整理します。
結論:何が起きているの?
一言で言うと、「SBI新生銀行が、株をみんなが買える場所(証券取引所)で正式デビューした」という話です。
学校にたとえるなら、
- 校内発表 → 学年発表 → 全校発表
みたいに、より大きな舞台で見られる立場になったイメージです。
「上場」って何?(中学生向け)
会社は、お金を集めて、仕事をして、利益を出します。
上場とは、簡単に言えばこんな約束です。
- 「会社の一部(株)を、だれでも買えるようにします」
- 「その代わり、成績表(決算)をきちんと公開します」
つまり“世の中のチェックを受ける立場になる”ということです。
なぜニュースになるの?(ここが大事)
上場すると、会社は「これからどう成長していくか」をより真剣に説明する必要があります。
今回の発表でも、SBI新生銀行は今後の見通し(予想)を出しています。
中学生向けに言うなら、
- 「次のテストは、このくらいの点を目指します」
- 「そのために、こういう勉強をします」
と、目標と根拠をセットで宣言したということです。
どうして“もうかりそう”なの?(3つの理由)
① 金利が上がってきて、銀行に追い風
銀行は「お金をあずかる」「お金を貸す」を仕事にしています。
最近は、貸したときにもらえる利息が増えやすい環境になっており、銀行が利益を出しやすい面があります。
② SBIグループという“強い味方”がいる
SBI新生銀行は、SBIグループのネットワークや技術を活かして、住宅ローンなどを広げようとしています。
例えるなら、強豪校と合同練習している部活みたいなものです。
③ ムダな損(貸し倒れリスク)が落ち着いてきた
お金を貸す以上、「返ってこない」リスクはゼロではありません。
しかし発表では、前の年よりその負担が落ち着く見通しが示されています。
余計な出費が減る=利益が残りやすい、という考え方です。
千尋進学塾としての“学びポイント”
塾の仕事は金融ではありませんが、「目標」と「根拠」をセットで示す姿勢は教育でも大事です。
- 目標:次のテストで何点、偏差値いくつを目指すか
- 根拠:今の理解度・学習量・復習計画から見て何が必要か
数字は大切。でも数字だけではなく、その数字に到達するまでのプロセス(物語)も大切。
これは勉強も、会社も、同じかもしれません。
参考:今回の発表で出てきた数字(ざっくり)
- 「今年(通期)はこれくらい利益を目指します」という予想が示された
- 「上期の時点でここまで進んでいます」という途中経過も示された
※本記事はニュースリリースの内容を、学習用にわかりやすく言い換えて解説しています。
用語集(最後にここだけ押さえればOK)
IPO(アイピーオー) 会社が初めて株を広く一般に売り出すこと。上場のタイミングで行われることが多く、「デビュー戦」みたいな意味合いで使われます。
上場(じょうじょう) 会社の株が、証券取引所で売り買いできるようになること。成績(決算)をきちんと公開する義務も増えます。
東証(東京証券取引所) 日本で一番大きい「株の市場」。会社の株が売り買いされる“公式の場所”。 プライム市場 東証の中でも、特に規模やルールが厳しい区分。簡単に言えば「大きな舞台」。
株(かぶ) 会社を小さく分けた“持ち分”。株を持つ人は株主になり、会社の成果に関心を持つ立場になります。
株主(かぶぬし) 株を持っている人。会社が利益を出すと、配当が出たり、株価が上がったりすることがあります(反対もあります)。
決算(けっさん) 会社の「成績表」。売上・利益・費用などをまとめて公表するもの。
業績予想(ぎょうせきよそう) 「今年はこれくらいの成績を目指します」という見通し。将来の話なので、状況によって変わることもあります。
純利益(じゅんりえき) いろいろな費用や税金を引いたあとに、最後に残る利益。ざっくり「最終的に残ったもうけ」。
金利(きんり) お金を借りた人が、貸した人に払う“利用料”みたいなもの。銀行の利益に大きく関わります。
配当(はいとう) 会社が出した利益の一部を、株主に分けること。「ありがとうの分け前」みたいなイメージです。
この記事が「ニュースがちょっとわかる」きっかけになればうれしいです。
千尋進学塾では、勉強だけでなく、こうした社会の見方・考え方も大切にしています。
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