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大学とは何か?— 今こそ立ち返りたい、学びの原点

大学の石造りの門を見上げる日本の高校生の後ろ姿

大学とは何か?— 今こそ立ち返りたい、学びの原点

目次

はじめに:大学改革が話題になる今、改めて考えたいこと

最近、「大学の授業時間が延びる」「学費が上がる」「共学化するかどうか」など、大学に関するニュースが増えてきました。そんな中で、ふとこんな疑問を持った方も多いのではないでしょうか。

「そもそも、大学って何のためにあるの?」

塾で高校生と向き合う私たちも、実はこの問いに向き合うことが少なくありません。

大学とは何か?歴史的・理念的な原点

大学という言葉は、古代ヨーロッパの「ユニヴェルシタス(universitas)」に由来し、「知を追求する共同体」という意味があります。中世ヨーロッパの大学は、宗教や政治から自由であること、つまり「学問の自由」が何よりも大切にされていました。

日本でも、戦後に設立された多くの大学は、教育基本法や憲法に基づき「学問の府」としての役割を与えられています。大学の役目は、単に資格を取ったり、就職のために通うだけではないのです。

高校・塾との違い:教えてもらう場から、自ら学ぶ場へ

高校や塾は「受け身の学び」が中心です。先生が教えてくれて、テストで点を取ることがゴールになります。

一方、大学は「自分で問いを立て、自分で調べ、仲間と議論する」場所です。教科書も正解もない中で、学問という「探究の旅」に出かけることが本質です。

学問の自由と大学の自治:なぜそれが重要なのか

最近、「大学改革」の名の下に、大学が企業のような存在になってきているという声があります。たしかに経営効率や時代の変化に対応することは必要です。

しかし、学問とは「効率」や「収益」で測れない価値を持っています。大学が独立した存在であること(=大学の自治)は、知の自由、批判精神、多様性を守るために不可欠です。

「就職予備校」ではない、大学の本来の価値とは

進学説明会で「この大学は就職に強いですか?」という質問をよく受けます。もちろん大切な観点ですが、大学の価値は就職率だけでは測れません。

むしろ、4年間で「何を学び、どう変わったか?」が、その人の人生にとっての大学の価値になります。今は答えがない時代だからこそ、「考える力」が問われています。

おわりに:今を生きる高校生へ伝えたいこと

これから大学を目指す君へ。「大学に行く意味」を誰かに決められる必要はありません。ただ、立ち止まって考えてみてください。

君は、何のために学びたいのか?

答えはまだなくていい。でも、その問いを持ち続けてほしい。私たちは、その問いに寄り添う塾でありたいと願っています。

追記:個人的な見解

もちろん、私は個人的には、大学が就職予備校のような役割を担うことも、ある程度は仕方のないことだとも思っています。社会の変化、経済的な現実、若者のキャリア形成の難しさを考えれば、「学び」と「仕事」がつながることは決して悪いことではありません。

しかしそれでも、大学には「それだけではない価値」があることを、私たち大人が忘れてはいけないと強く感じています。

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