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20年に一度の祈りの旅|伊勢神宮・御樋代木を桑名で見送って

桑名市で行われた伊勢神宮式年遷宮の御樋代木奉送行事で、トラックに乗せられた神木を市民が日の丸を振って見送る様子

20年に一度の祈りの旅|伊勢神宮・御樋代木を桑名で見送って

令和7年6月、伊勢神宮の「式年遷宮(しきねんせんぐう)」に向けた大切な行事のひとつ、御樋代木(みひしろぎ)奉送行事が行われました。私はその最終日、御神木が桑名を通る場面に立ち会うことができました。

この御神木は、伊勢神宮の御神体である「八咫鏡(やたのかがみ)」を納める器、御樋代(みひしろ)を作るための木曽檜(きそひのき)です。神職によって選ばれたこの木は、長野の山中から切り出され、岐阜・愛知を経て三重県入り。6月8日には桑名宗社(春日神社)へと運ばれ、沿道では1500人もの市民が出迎え、祭車や掛け声が響きました。

そして翌朝、6月9日。朝8時過ぎ、神木を載せたトラックが桑名市の伝馬公園前を通過。1台につき3本の御神木が積まれていたとされ、その光景はまさに壮観でした。私はその瞬間、沿道で日の丸の小旗を振りながら、地域の方々とともにその神聖な列を見送りました。石取祭で使われる祭車が、時期を早めて繰り出されたのもこの日のため。桑名のまち全体が、まるで神様を歓迎するように沸き立っていたのです。

この「式年遷宮」は、単なる神事ではありません。全国から木を選び、全国の人々が携わり、そして全国から参拝者が集う――まさに“日本全体の祈り”です。私たちはその一端を担ったにすぎませんが、地域がこうして伝統に参加し、支えることで、伊勢神宮の権威や精神的な拠り所としての価値は、より深まっていくのだと実感しました。

受験指導に携わる教室長としても、この姿は学びの本質と重なります。一本の木が、何百人もの手で丁寧に運ばれ、神域へとたどり着くように、生徒一人ひとりの努力も、日々の積み重ねによって未来へ届いていく。

祈りを込めて、学びをつなぐ。そんな想いを胸に、また今日から子どもたちを迎えたいと思います。


式年遷宮 御樋代木奉送行事 概要

  • 行事名:第63回 神宮式年遷宮 御樋代木奉迎送行事(みひしろぎ ほうげいそうぎょうじ)
  • 日時:令和7年6月8日(日)17:00〜19:00(春日神社 奉迎)/6月9日(月)8:00ごろ(伝馬公園前通過)
  • 内容:八咫鏡を納める器を作る御神木を伊勢神宮へ運ぶ神事。春日神社では約1500人が引き入れを担当。1台のトラックには3本の御神木が積まれていたとされる。
  • 主催:三重県神社庁桑名支部・員弁支部

おわりに

私が見たのは、たった一台のトラックと三本の御神木でした。
けれどその背後には、20年という時の重みと、全国から寄せられる尊い祈りがありました。

桑名のまちはその祈りを、ただの行事としてではなく、地域の誇りとして未来につなぐ伝統として迎えていました。

伊勢神宮の式年遷宮は、三重県だけの話ではありません。
日本全国から人が集まり、心を寄せ、祈りを託す――これは日本全体の物語です。

この貴重な時間に立ち会えたことを、心から嬉しく思います。
そして、学びに携わる者として「続ける尊さ」を子どもたちにも伝えていきたいと、改めて感じました。

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