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三重県の高校改革と“普通科”のゆくえ|ドイツ・フィンランド・アメリカと比較してみた

「高校って、なんでみんな“普通科”に行くんだろう?」

そんな素朴な疑問を持ったことはありませんか?

実はいま、三重県の高校教育が大きく変わろうとしています。たとえば、四日市高校では「普通科」を見直し、新たに「探究科」などへの再編が検討されています。

でも、そもそも“普通科”って、ほんとうに「ふつう」なんでしょうか?

今日はちょっと視野を広げて、ドイツ・フィンランド・アメリカといった海外の教育制度を見ながら、日本の「進路のあたりまえ」について一緒に考えてみましょう。


ドイツ:早くから自分に合った進路を選ぶ

ドイツでは、小学校を卒業したあとに進む学校が大きく3つに分かれます。

  • ギムナジウム(大学進学向け)
  • レアルシューレ(専門・技術系)
  • ハウプトシューレ(職業訓練中心)

これらは学力順というより「適性」で分かれます。そして多くの生徒が、職業教育を受けながら現場で働き、実践的な力をつけていきます。

日本でいうと「工業高校」「商業高校」のような位置づけがもっと充実していて、社会的にも評価されているんですね。


フィンランド:一度選んでも、やり直せる

フィンランドでは義務教育が終わったあと、

  • 大学進学型の高校(リュッコ)
  • 実践型の職業学校

という2つの道があります。でも面白いのは、職業学校からでも大学を目指せること。つまり、「あとからやり直せる」んです。

日本だと、一度「職業科」に行くと大学進学の道が狭くなってしまうこともありますが、フィンランドではその垣根がとても低くなっています。


アメリカ:とにかく“選択肢”が多い

アメリカの高校では、びっくりするくらい多様な科目が用意されています。

音楽、演劇、農業、心理学、料理、プログラミング……

もちろん、進学を目指す子もいれば、すぐに社会に出る準備をする子も。

「どうやって生きたいか」に合わせて、学校の中身を組み立てていく感覚です。


日本はどうか?

日本では、多くの中学生が“普通科”を目指します。たとえ将来の夢が決まっていなくても、とりあえず普通科へ。そして「大学進学が前提」という流れになりがちです。

でも、それって本当にみんなにとってベストな選択なんでしょうか?

昔は、商業科や工業科、農業科など、それぞれの“得意”を活かす進路がもっと身近にありました。けれど今では、そういった専門学科の多くが減り、ほとんどが“普通科”に吸収されてしまっています。


三重県の動きと、これから

今、三重県では「探究科」や「専門探究科」といった名称に変えて、“普通科”の再編を進めようとしています。

これは名前だけの話ではなく、カリキュラムや入試の方法も変わってくる可能性があります。たとえば、大学入試の「推薦・総合型」に対応した授業設計をするなど、生徒の進路に合わせた細やかな支援をしていく方向性です。

同時に、少子化や教員不足という現実もあり、「学校統合」や「学科の集約」も視野に入っているようです。


最後に:進路に“正解”はない

どの進路が正しいか、どの高校が上か、そういった話ではありません。

大切なのは、

その子に合った道を、その子自身が選べること。

そして、たとえ一度うまくいかなくても、やり直せる柔らかさが社会にあることです。

進路はゴールじゃなくて「スタート地点」。

私たち千尋進学塾も、そんな想いを大切にしながら、子どもたちと向き合っていきたいと思っています。


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